レシピの検索ばかりして料理上達してないな、と内心思っているので、この本のタイトルにドキッとしました。
2017年発売で14万部も売れている料理本だそうです。
インターネットや書籍に料理レシピの情報は溢れているのに、ごはん作りを「たいへんだ」と感じる。
どうすれば、もっとラクに料理を作れるか。
レシピを見ずに料理するために知っておきたいこと、調理法が紹介されています。
文章多めで写真は少ないですが、エッセイ的な文体で読みやすいです。
一日疲れて帰ってきたら、美味しい夜ごはんを食べたいですよね。
冷蔵庫の材料と夕方の限られた時間と残り少ない体力を無駄にしないよう、
そして美味しいごはんになるよう、
レシピ検索してしまいます。
検索せずに、ありあわせの材料でおいしいごはんが作れたら、どんなに自由だろうと思います。
でも、レシピなしの大海原に飛び立ったとて、なんだか味が決まらない……
「レシピを見ないで作れるようになる」には、勘所があるらしいです。
- 「こういうのが食べたい!」というイメージをすること
- 味付け以前に、食感にこだわる
- 味見をする
さらに、作るときに勘所が具体的に紹介されています。
例えば、魚の塩焼き。
まず、溶けやすい細かい塩を満遍なく振って水分を抜き、うま味を凝縮。
次に、粗い塩で味付けし、焼く。塩のうまさで食べるのが塩焼きとか。
本には具体的な塩の分量などはほとんど書いていません。
有元さんの意識されている感覚が文章化されています。
(とはいえ、適量と書かれると量を調べてしまう私)
料理自体はシンプルで、素材を生かす料理工程が載っています。
味つけのバリエーション云々より、食感を大事にして、味つけは追加する感じ。
レシピを見ながら作っていると、深く考えないで、こなす作業になってしまうのよね。
なんでも基本が大事だね。
手始めに紹介されている料理を作ってみました。
長ねぎにゆるめに豚肉を巻いて、弱火でじっくり焼く
味付けは焼いた後に、しょうゆでも山椒でも塩コショウでもなんでも合いますね。
シンプルで、長ねぎの甘味が美味しかったです。
- フライドポテトは塩水にさらして、でんぷんを落とす
- 塩水で5分間茹で、水分を抜く
のがポイントだそうです。
この茹でる工程までやっておいて、冷凍しておくことも可能。
サクサクのポテトが出来あがり。
他にも野菜、サラダ、肉、魚と章が分かれていて、どれも美味しそう。
本の中で「レシピ本は参考書」と書かれていました。
それなら、この本は「料理の手引き」
レシピを見ないで作ると勘が冴えてくるらしいです。
一朝一夕では料理上手にはなりませんが、当分の間、やってみたいテクニックを実践する楽しみができました。
作らねばと必死にレシピ探す「料理つらい」人には、「料理を楽しむ」ヒントが得られると思います。